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夢では無くて、起きる直前にふと、脳みそから浮かんだ画像があった。
青いコップの付いた水筒。
その上の部分をくるくる回すと、万華鏡のように模様が変わったように思う。
3年保育になるその年。
買ってもらった保育園カバンと水筒は「青色」だった。
なだめる母の言葉など聞きもせず、
「青色」のグッズをそろえてもらったのだと思う。
だが、保育園デビューした私を待っていたのは、
「赤色」のグッズを持った女の子たちだった……のだと思う。
毎朝登園しては保育士さんに逆らい、わめき、空き部屋に閉じ込められてた。
母は園から「病院で検査してもらってください」と言われ
私を連れて病院に行った。
病院の非常識なまでに暗い廊下を覚えている。
保育園をたったの2週間で自主退園した。
自分の持ち物全てに同じマークのシールが貼られているのだが、
みんなは「ウサギ」とか「お花」とか「車」なのに、
私は「傘」だった。緑色の、唐傘のように、ななめから描いた
かわいさの欠片もないシールだった。
なぜ、私はあのシールだったのか。
なぜ、ウサギやリボンやトンボじゃなかったのか。
心が弱ると、50年以上前の記憶までがフラッシュバックするんだな……
というのが分かった。
そして、そんなシールの絵柄1つが気分を左右するような
こだわりのきつい性格だったことを、改めて認識した。
今までよく生きてきたな。
そして、周りの人は、よく我慢してくれてたな、と。