サイ子の徒然

日々の暮らしの中で感じることなど……

45年前の思い出

45年前、我が家にはサンタは来なかった。

理由は、母によると
「サンタは、お父さんもお母さんもいない可哀想な”みなしご”のところに、
 一年に一回幸せを運ぶんだよ。
 あんたは、お父ちゃんもお母ちゃんもいるので、サンタは来ない。」
のだそうだ。
でも、私はその理屈をそのとおりだと思った。
今でもそう思っている。

だからといって、親からクリスマスプレゼントをもらったことはない。
当時の子どもはそんなものだった。
一年に一回、ホールのケーキが食べられる、そんな日だった。

余所のうちにはクリスマスツリーがあったが、
我が家にはなく、
日本酒の一升瓶に折り紙で星やなんやらを作って貼り付けて
ツリーの代わりにしていたほど貧乏だった。
でも、反社会的な人間には育たなかったつもりだ。
いや、曲がりなりにも仕事をして、税金を払い、国民保険も払っている、
社会人と言っても嘘つき呼ばわれされない人間にはなったつもりだ。

45年前の私は、貧乏だったけど、不幸じゃなかったようだ。
そう思えることが幸せなんだろうな。

クリスマスが近くなり、
サンタがどうのこうのの話が出る度に思い出すこと。